国や自治体が発注する公共工事・業務に参加するためには、「電子入札コアシステム」への対応が必須となります。
そして、その電子入札に参加するために必要となるのが「電子認証カード(電子証明書)」です。
このカードは、企業の本人確認や入札時の電子署名に用いられる重要なツール。
現在は複数の民間認証局がサービスを提供しており、料金や有効期間、申込方法などに違いがあります。
本記事では、2025年時点でおすすめの電子認証サービス5社を比較しながら、入札に参加する企業が賢く選ぶためのポイントも分かりやすく解説していきます。
電子認証サービス5社を料金・有効期間で比較!
電子入札に参加するために必要な電子認証カードは、複数の民間認証局から提供されていますが、サービスごとに料金や有効期間に違いがあります。
以下の表では、各社が提供するプランの中で最も「期間が短く」「安価」なものを比較しています。
まずはコスト感や契約期間の違いをざっくりつかみたい方は、ぜひチェックしてみてください。
日本電子認証(AOSign) | 1年+30日 | 15,000円(+ICカードリーダー 9,000円) |
帝国データバンク(TDB TypeA) | 2年版(760日) | 28,000円(+ICカードリーダー 6,500円) |
三菱電機デジタルイノベーション(DIACERT-PLUS) | 1年 | 11,000円(+ICカードリーダー 7,500円) |
トインクス(TOiNX) | 2年1ヶ月 | 23,000円(+ICカードリーダー 9,500円) |
NTTビジネスソリューションズ(e-Probatio PS2) | 1年+1ヵ月 | 9,000円(+ICカードリーダー 6,000円) |
1. 日本電子認証(AOSign)

特徴・ポイント
電子入札コアシステムの黎明期から対応している老舗の認証局。
国・自治体との取引実績が豊富で、公共事業関連の信頼性を重視する企業に多く選ばれています。
シンプルな価格設定とわかりやすい申込フローが特長で、初めて電子入札に参加する企業にもおすすめのサービスです。
また、同社の電子認証カードを契約していると、入札情報提供サービス「入札王」を割引価格で利用できる特典があります。
「認証カード」と「案件情報」をセットで活用したい企業にとって、コスト面でも利便性でも魅力的な組み合わせです。
詳細情報
有効期間 | 1年〜5年を選択可能。有効期間に+30日あり。 |
価格(電子証明書) | 15,000円~66,000円(税別) |
ICカードリーダー | 9,000円(税別) |
納期(発行スピード) | 約2週間程度(書類の郵送から受け取りまで) |
導入実績 | 発行枚数66万枚突破、利用企業数7万社以上 |
サポート体制 | 電話・メール対応(平日9:00~17:00) |
ひとことで言うと
とりあえず迷ったらこれ。入札参加者の安心定番。
2. 帝国データバンク(TDB電子認証サービス TypeA)

特徴・ポイント
「TDB電子認証サービス TypeA」は、帝国データバンクが提供する電子認証カードで、長期間・安心して使える設計が魅力です。
また、利用者向けの特典として、全国の入札案件をメールで受け取れる「入札公告情報配信サービス」も提供されています。
情報収集の負担を軽減できる便利なサービスですが、配信は地域ごとに週1回と頻度は控えめのため、本格的な案件探索には別途入札情報サービスとの併用がおすすめです。
とはいえ、電子認証と入札情報をまとめてカバーできるのは「TDB電子認証サービス TypeA」ならではの強み。
「とりあえず一通りそろえたい」という企業には魅力的な選択肢となります。
詳細情報
有効期間 | 2年版~5年版より1種類を選択 |
価格(電子証明書) | 28,000円~48,000円(税別) |
ICカードリーダー | 6,500円(税別) |
納期(発行スピード) | 約2週間 |
導入実績 | 記載なし |
サポート体制 | お問い合わせフォーム、電話 |
ひとことで言うと
企業信用調査のTDBならでは。信頼と安心で選ぶならここ。
3. 三菱電機デジタルイノベーション(DIACERT-PLUS)

特徴・ポイント
三菱電機グループによる安心感の高い電子認証サービス。
有効期間は1年から最長4年10ヵ月まで柔軟に選択でき、コストと運用負担のバランスを取りたい企業にぴったりです。
サポート体制もしっかりしており、セキュリティ重視派にも好評。
詳細情報
有効期間 | 1年、2年、3年、4年10ヵ月 |
価格(電子証明書) | 11,000円~40,000円(税別) |
ICカードリーダー | 7,500円(税別) |
納期(発行スピード) | 10日~2週間程度 |
導入実績 | 記載なし |
サポート体制 | 電話・メール |
ひとことで言うと
安心・信頼の三菱グループ。堅実派の定番。
4. トインクス(TOiNX電子入札対応認証サービス)
https://service.toinx.co.jp/index/e-auth/

特徴・ポイント
トインクスは、宮城県仙台市に本社を構えるIT企業で、東北エリアを中心に官公庁・地方自治体との連携実績が豊富な企業です。
電子入札対応の認証サービスもその一環として提供されており、地域密着型で信頼性の高い対応が期待できます。
詳細情報
有効期間 | 2年1ヶ月、4年6ヶ月 |
価格(電子証明書) | 23,000円、44,000円(税別) |
ICカードリーダー | 9,500円(税別) |
納期(発行スピード) | 不明 |
導入実績 | 特に記載なし |
サポート体制 | 電話・メール対応 |
ひとことで言うと
東北エリアでの導入実績多数。地域密着型で安心感あり。
5. NTTビジネスソリューションズ(AQStage 電子認証サービス)
https://www.nttbizsol.jp/service/e-probatio/

特徴・ポイント
「AQStage 電子認証サービス」は、NTTビジネスソリューションズが提供する電子認証サービスです。
電子入札や電子契約に必要な電子証明書(ICカード)を、手頃な価格とNTTならではの信頼感ある体制で提供しています。
別料金にはなりますが、お使いになる現場まで出張し、パソコンへのソフトのインストールおよびICカードの正常性確認まで実施するセットアップサービスもあります。
詳細情報
初有効期間 | 1年+1ヵ月~5年 |
価格(電子証明書) | 9,000円~46,000円(税別) |
ICカードリーダー | 6,000円(税別) |
納期(発行スピード) | 不明 |
導入実績 | 発行枚数32万枚(2020年2月末現在) |
サポート体制 | ヘルプデスク(平日対応)/セットアップ支援あり |
ひとことで言うと
コスパ重視ならこれ一択。NTTの安心感とサポート付きで導入もラク。
まとめ:電子認証サービス選びは、入札の準備そのものです
電子入札に参加するための電子認証カードは、いわば企業の“電子的な身分証”。
どのサービスを選ぶかによって、コストや手間、そして安心感にまで違いが出てきます。
選ぶポイントは人それぞれ。
価格を抑えたいのか、更新の手間を減らしたいのか、サポートや信頼性を重視したいのか。
自社のスタイルや優先事項を明確にすることが、最適な選択につながります。
また、カードの発行には一定の時間がかかるため、余裕を持った準備がとても重要です。
「必要になってから」ではなく、「必要になる前」に動いておくことで、チャンスを逃さずスムーズに入札へ進むことができます。
この記事が、あなたの選択のヒントになれば幸いです。